考えたこと2

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SFはどこに行った?
正月にテレビを見ていたら、「日本沈没」がまた映画化されるようで、CMをやっていた。

以前に映画化されたのは1973年。
小松左京のSF小説が原作だ。
田所博士が小林桂樹で、いしだあゆみがヒロイン役で出ていた。
いしだあゆみが女優として出てきたころだったのではないか。きれいだった。(今もきれいだが)

当時、テレビで映画を見たことはあったが、原作は読みそこねてしまった。
何となく読みたくなったし、次男が読みたいというので、近所の本屋に買いに行ったら、無かった。
80年代までは、どこの本屋に行っても、小松左京はあったと思う。
さすがにアマゾンで調べると、入手可能だった。小学館文庫で、24時間以内に発送、となっていた。
上下二巻の大作。
小松左京は長編は少なく、これが代表作になるのかな・・・。

そう思って、本屋の文庫の棚を見ると、SF小説が減っている。
かろうじて、星新一、筒井康隆はそこそこあるが、豊田有恒、横田順彌 、かんべむさし、田中光二、平井和正、眉村卓、光瀬龍などの日本のSF作家の本はほとんどなくなっている。
こんなところにも、理科離れが及んでいるのか・・・。

ミステリは海外作家が好きだが、SFは日本の作家が好きだ。

SFというジャンル自体が、はっきりとは決めにくいジャンルだが、豊田有恒(この人は、アニメのスーパージェッターの脚本も書いていた)や光瀬龍はよく読んだし、面白いと思う。今読んでも、古くないと思うのだが・・。

特に、光瀬龍はしばらく前(といっても1999年だった)に亡くなったが、早川文庫でよく読んだ。
この人の小説は、未来小説だが、それをもっと未来から回顧して書くような歴史小説的なおもむきがあって、当時すごく新鮮だった。
もうページが茶色になった文庫本が何冊か本棚にあるが、捨てることはできない。
「東キャナル文書」という作品は、火星の運河の話で、すごく面白かった事を覚えている。
20代の頃に読んだのか・・。
アマゾンで見てみると、案の定この本は在庫切れで、中古品しか手に入らない。

90年代から徐々に人気がなくなってきたのか。

今はどちらかというと、ハリーポッターのようなファンタジーものが幅をきかせている。
子ども向けの本のところにいっても、ファンタジーばかりだ。
何とかドラゴンや、ライオン何とかとか、海外作家ばかり。
ナルニア国物語も、ディズニーで映画化されるので、また流行るんだろう。
これは読んでみようかと思ったら、1巻目が売り切れていた。

それにしても、SFはどこに行ったのか?
流行らないから、作家自身が減っているのか。
新人が出てこないのか・・・。

調べてみると、1999年から創設された日本SF作家クラブの「日本SF新人賞の創設に際して」というところには、こんな事が書いてあった。

「 1960年代、70年代におけるSF小説の飛躍が、日本におけるSFの繁栄をもたらしました。
しかし今日、SF映画やSFアニメ、SFコミックの大成功の反面、SF小説の影響力が相対的に低下した事実は否定できません。
いまこそ時代は、斬新で独創性にあふれる、読書の楽しみを具現するようなSF小説を求めています。
 才能あるSF小説家、魅力的なSF小説の誕生を求める時代の声に応え、このたびSF作家クラブは、日本SF新人賞を創設することになりました。
この賞を通路として登場する新人作家によって、SF小説界に新風が吹き込まれることを願ってやみません。」

ということは、日本のSFの繁栄期にちょうどSFを読めた僕らは、ラッキーだったということになる。
そして、90年代に入ってSF小説は廃れてきた、という事だ。
(たしかに、この賞を取った作品のリストを見ても、知らない人ばかりだった)

できれば、2006年の日本沈没の再映画化をきっかけに、すごいSF作家が出てくればいいと思う。

「いまこそ時代は、斬新で独創性にあふれる、読書の楽しみを具現するようなSF小説を求めています。」

ホント、その通り!

でも、だんだん現実がSF化してきたからなあ・・・。


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